ハートガードプラス(カルドメック チュアブルP)の成分と副作用
ハートガードプラスは、
世界有数の動物薬メーカー「メリアル社」によって、
今まで世界中で4億箱近くが販売されているフィラリア予防薬のメガヒット製品であり、
日本でも同一製品が「カルドメック チュアブルP」の製品名で発売されています。
主成分はイベルメクチンとピランテルで、
イベルメクチンはすでに特許期限が終了しているため、
日本を含む世界各国でジェネリック製品が発売されていますから、
それを含めれば更に多くの犬達がイベルメクチンを与えられていることになります。
製品の優れた効能と安全性が、
広く使用されている理由のひとつでもあり、
更に、この製品は世界の主な国では家庭薬(一般薬)として販売されており、
飼い主さんが便利にリーズナブルな価格で利用できるということも、
人気のひとつとなっています。
ハートガードプラスの使用に伴って、次のような有害な副作用が報告されています。
食欲不振、嘔吐、下痢、元気消失、痙攣を起こす場合があります。
フィラリア症に感染した犬に投与した場合は上の症状に加えて、
急性犬糸状虫症、歩様異常、皮膚アレルギーが報告されています。
イベルメクチンについての研究は、
コリー系犬種のあるものに通常より16倍のイベルメクチンを過剰投与したときに、
他の犬種に比べてイベルメクチンへの感受性がより強いことが示されています。
このレベルの服用量では、
イベルメクチンへの過剰感受性を持つ犬達に次のような副作用が見られました。
- 瞳孔の拡大
- 元気消失
- 歩行失調
- 震え
- よだれ
- 不全麻痺(運動しようとしても、四肢などに十分な力の入らない・四肢の感覚が鈍く感じる状態=wikipedia)
- 臥床
- 興奮昂進
- 朦朧
- 昏睡
- 死亡
しかし、ハートガードを過剰感受性のコリー種に、
通常投与量の10倍(60 mcg/kg)を与えても、
上記のような中毒症状を示すことはありませんでした。
このことから、
コリー種を含む犬に、
推奨量のハートガード製品(ハートガード30錠剤とハートガードプラスチュアブル)を使用しても、
安全であると思われます。
しかし、
念のために、
ハートガードプラス(カルドメック チュアブルP)を初めて食べさせる場合、
コリー種を含め、どの犬種でも、
朝に半分食べさせ、
副作用等が起こらないかを確認し、
同日夕方に、残りの半分を食べさせるというのが、
良いでしょう。